研究概要

従来の腸内細菌研究では16S rDNA解析に基づき、被験者Aと被験者Bにおける腸内細菌の存在割合を遺伝子レベルで比較し、健康影響を議論してきた。しかし仮に両者の菌叢割合が同等であっても、腸内環境における酸化や炎症などのストレスによって、その腸内細菌の代謝酵素機能が低下している可能性がある。すなわち、腸内細菌叢自体も「老化」や「疲弊」を呈し、その質的変化が疾患の進行や治療効果に影響するのではないか、という疑問が生じる。我々は、この問いを検証し、従来の菌叢組成解析に依存する量的研究を超えて、腸内細菌の質的変化に着目した新たな研究概念を提示する。

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